STORY ポンプのお話
ポンプについて
羽根車(インペラー)
1)羽根車は、吐出し量と全揚程(圧力)の関係からは、下図のような形状になります。
a)半径流インペラー(lC,ID型渦巻きポンプ)
インペラー内を通過する水が半径方向に流れ、羽根の形状は二次元の単純な曲面 。
b)混流形インペラー(大型IC,lD型)
入り口から軸方向から半径方向に序々に変化し3次元の湾曲面をもつ。
c)斜流形インペラー(MC型斜流渦巻き)
さらに羽根流線は湾曲し、出口も斜めにかたむいている。
d)軸流形インペラー(AF型軸流ポンプ)
円筒断面での形状は、飛行機翼と同じ形(プロペラ形)をしており、軸方向に流れる。大型機では可変翼もある。
2)送液の性状(スラリー、固形物、粘性)等から、次のような形状もあります。
クローズインペラー
羽根の両側に側板(シュラウド)が有りポンプ効率が良く最も一般的。
a)セミオープンインペラー
スラリーや繊維物などを含む液を送るもので、前面シュラウドがない。
b)フルオープンインペラー
さらに、前面だけでなク、後面シュラウドも取り除いたインペラー。
c)ノンクロッグインペラー
羽根枚数は少なく、羽根入り口先端を厚くし、丸みをつけて繊維その他の異物がひっかかりにくいように設計したインペラー。
d)ブレードレスインペラー
インペラー入り口から出口まで通路幅を極めて大きく、ポンプ吸い込み□に匹敵するような大きな異物でも容易に通過するインペラー。
3)設計上工夫されたインペラー
a)バランス形インペラー
羽根に作用するスラスト軽減のため、後面シュラウドの背後に補助羽根をつけて減圧する形。
b)両吸い込みインペラー
左右両方から対称に吸い込むので、軸スラストをバランスさせたポンプ設計のインペラー。
c)ボルテックス形インペラー
洗濯機に羽根のような形で、固形物を壊さないで送液する。(PS形ポンプ)。
d)アステロイド形インペラー(IL型ガラボン)
真空ポンプの羽根のような形状で、エアーの巻き込みに対し排出しやすい。フルオープンインペラーの一種。
4)その他
カスケードポンプインペラー(多翼形)、ギアーポンプ、ベーンポンプなどがある。