STORY ポンプのお話
ポンプの軸シールについて
メカニカルシールの種類(分類)
――三和メカニカルシールの形式表示と種類――
メカニカルシールは、その使用目的、使用条件によって、現在いろいろあります。ポンプの圧力や回転数、液の性質と状態(耐薬品性、粘性、スラリー含有)、取り扱い方法などにより多種多様のものが使われています。
A)最も一般的な分類
1)水のような清澄な液で、多少の漏れがあっても言い場合は
⇒グランドパツキン方式2)漏れては困る液、薬液等でスラリーがない場合、及びスラリーがあっても外部注水してポンプ内に注水液が入っ てもいい湯合は
⇒シングルメカニカルシール方式3)スラり一があり外部注水液がポンプ内に入れられない場合、 およびポンプ液を外部に完全に漏らしたくない(遮断する)場合は
⇒ダブルメカニカルシール方式B)メカシールにかかる圧力による分類
1)アンバランス型
低圧用で最も標準型
2)バランス型
高圧用で回転接触面に大きな圧力がかからないようにバランス 設計したもの
C)メカシールの取り付け位置による分類
1)インサイド型
回転部がボックス内にあり、最もポピュラー型
2)アウトサイド型
回転部が外側にあり、洗浄したりセットは簡単であるが、負圧だと エアーを吸い込み、1kg/cm2以上では面が開いて漏れる為、使 用範囲は狭い。0から1kg/cm2の使用範囲
D)軸パッキン(2次シール部)による分類
1)Oリング型
弾力性のあるOリングが耐薬品的、耐熱的に使用出来れば最も 一般的
2)Vリング型
Oリングが使用できない湯合で、ケミカルでは一般的。Vはテフロン
3)ベロー型
Oリング、Vリングが使用できない液 や高温(金属ベロー使用)の 場合。
E)スプリングの形による分類
1)マルチスプリング型
多数のスプリングで平均に押し付ける標準型。スラリーがあると スプリング作動不良を起こす事がある。
2)ワンコイルスプリング型
ワンコイルでスラリーによる作動不良がない。高粘度用にも使用 される。
3)ベロー型
ベローの力だけでは小さいのでスプリングと併用設計もされることあり。
F)スプリングの位置による分頴
1)回転型
回転部にスプリングがある標準型
2)静止型メカシール
固定部(かつ外側)にスプリングがある為、スラリーに作動不良なく 、高速回転にも安定する
以上のように分類し、形式記号及びコード等で表示されます。 例えば三和標準メカシールのGU型は; シングルメカニカルシール/アンバランス/インサイド/Vリング/マルチスプリング/回転型です。